卒業生が語る 留学、そして今

現在、行政書士として活躍中のICC高校留学卒業生の西島さん。文化の異なる国の方々と共に仕事ができることに面白さを感じると語ってくれました。日常生活であまり聞き慣れない”行政書士”とはどんな仕事なのでしょうか。皆さんの将来の参考にしてみて下さい。

伝統あるワンガヌイ・カレッジエイト・スクールの校舎

参加コース:ニュージーランド高校留学プログラム
留学期間:1996年1月〜1997年12月
留学先:Wanganui Collegiate School(ワンガヌイ)

1978年生まれ。京都府出身。行政書士。1996年1月より、ニュージーランド・ワンガヌイ・カレジエイト・スクール(Wanganui Collegiate School)に留学。卒業後、立命館大学産業社会学部に進学。大学卒業後、専門学校に通いながら司法試験に6度チャンレジし断念。行政書士に転向し資格取得、その翌年、西島行政書士法務事務所を設立。企業の経営法務全般のコンサルティング、外資系企業の法務、外国籍の方の在留資格申請代理などを行う。

高校留学で学んだ物事に対する考え方、相手に対する接し方すべてが仕事に活かされています

Q:現在の仕事内容について教えてください。

A:私の主要業務は、企業の経営法務全般のコンサルティングであり、法人の設立からの経営、税務、労務等ほぼ全般のサポートを弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士と共同して業務を行っております。また現在は外資の会社、外国籍の方々の企業法務にも力をいれており、外国籍の方の入国管理局への在留資格申請代理を含め、そういった方々が、スムーズに法人設立若しくは、経営を開始できるようにサポートさせていただいております。その他にも、相続、各種営業を開始する際に必要な許認可の取得等、多岐にわたって日々仕事をしております。

Q:なぜ行政書士を目指そうと思ったのですか?

A:もともとは、アパレル関係の仕事に就きたいと考えており、とりあえず大学卒業後、1から勉強をし直そうと考え、単身ロンドンに4カ月程何も考えずファッション系の大学を探すために行きました。しかしながら学費の高さにその夢は打ちのめされ帰国いたしました。帰国後、本当に自分が何をしたいか考えた結果、まずはこの世の中がどのように回っているのかを知りたいという思いから、某資格専門学校に通いながら、無謀にも司法試験に挑戦しようと決断しました。もちろん勉強してそうやすやすと受かるものでもなく、6年間落ち続けた末、司法試験を断念し行政書士試験に切り替え、その1年後合格し開業しました。

高校時代の音楽祭の様子

Q:高校時代の印象的なエピソードを教えてください。

A:印象的なことがたくさんありすぎて難しいですが、やはり卒業式後の最終日が一番印象的というか、思い出深いです。私の学校は70%ほどが寮に生活しておりました。当時は、男子寮が5つ、女子寮が1つで各寮ごとに学生のみが知りえる伝統が受け継がれておりました。私の寮では卒業式の夜に全裸で校内のグラウンドを一周するとういう伝統があり、実際に私の寮の卒業生10数名で夜中の12時に実行しました。今考えてみると、恥ずかしくてありえないですが、長い時間をすごした仲間と、共に最後の時間を馬鹿をして共有できた大切な時間であり、もっとも印象深い出来事の一つでもあります。

Q:ホームステイの思い出はありますか?

A:高校留学時代の1年目はホームステイをしていました。初めの頃は殆ど英語が話せず、コミュニケーションをとるのに大変苦労をした思い出があります。ホストファミリーは子供が既に独立しており、それに加え母親が遠方の大学の教授をしていたため、家には父親一人しかおらず、私を含めほぼ2人きりで生活をしていました。そのため家事、炊事、洗濯はほぼ共同でおこなっておりました。また私のホストファミリーは自宅で自営業(バス会社)を営んでいたため、よく週末に電話受付など仕事を手伝ったりもしていました。当時はものすごく大変なところに来てしまったと、悩む時期もありましたが、今となっては普通の高校留学では体験できない経験をすることができ、かけがえのない思い出であったと感じております。

留学当時のアドバイザーの山田さんと友達と一緒に(右が西島さん)

Q:ICCアドバイザーとの思い出はありますか?

A:ICCスタッフ、そして現地アドバイザーの方々には大変お世話になりました。当時はお世辞にもまじめな学生といえるものではなく、よく現地アドバイザーの方にはご迷惑をかけていたと思います。そんな私を見守っていただいて本当に感謝しております。また当時、オークランドに行った際は、毎日のようにICCオフィスに行きお仕事の邪魔をし、当時のオフィススタッフの方に夕食をごちそうになったのが、忘れられません。

Q:現在の仕事に高校留学が生かされていることはありますか?

A:高校留学で学んできた英語はもちろんのこと、それ以上に物事に対する考え方、相手に対する接し方すべてが、現在の仕事に活かされていると私は考えております。

Q: 現在の仕事の面白さはどういった点ですか?

A:文化の違う国の方々と共に仕事ができることに面白さを感じます。この仕事をしていると、様々な国籍の方々と知り合う機会があります。もちろん相手の一生を左右する仕事でもありますので、常に重大な責任感はつきまといますが、お互いがより深い信頼関係を築いていけます。それによって新たなビジネスが生まれたり、交友関係が生まれたりと、たくさんの変化があるところも面白さであると思います。

Q:今後の目標をお聞かせ下さい。

A:現在は私の会社で貿易事業を展開する準備をしており、これを成功させることが第1の目標です。第2の目標はより良い出会いを求めていくということです。私自身まだまだ未熟者ですが、今現在実感していることは、人と人との出会いこそが、ビジネスにおいても人生においても1番重要なことだということです。もちろん学業、仕事が重要でないというのではなく、これは学業、仕事の上に成立するものだと思います。第3の目標は社会貢献です。この3つを今後10年の目標として日々頑張っていきたいと考えております。

「人との出会いこそが重要」と語る西島さんが主催する異業種交流会のセミナーにて

Q:高校留学中の学生へメッセージをお願いします。

A:私は高校留学時代を含め、今も多少そうですが、基本的に適当な人間ですし、そこそこ無茶もしましたし、勉強が嫌いです。でも人との出会いが大好きです。皆様にはまだまだたくさんの夢、そしてチャンスがありますし、信じられないような出会いがたくさんあります。毎日気を張って頑張ってほしいとは全く思いません。ただ思う存分自分の思うように楽しんでいただければと思います。