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007 (2001/04/18)
●碧螺春(ぴろちゅん)
□産  地:江蘇省洞庭山
□分  類:緑茶
□味&香り:
 碧螺春の茶葉は一見お茶とは思えない風貌だ。それに息を吹きかけると、フワっと飛び散るような軽さだ。形状は白魚を乾燥させたもののように固く小さく(1センチ程の大きさ)よじれまがっている。柑橘類の樹の下に茶樹が植えられており、その香りも若々しい緑がいっぱいの草原を感じる。味も口の中をさっぱりしてくれ、緑茶のすっきりとした青みが残る。字のごとき春の息吹を感じるお茶だ。頭もはっきりするので、何かに集中したい時などおすすめのお茶である。


□一口メモ:
 洞庭山は東山と西山に分かれており、碧螺春は東山が産地である。他のお茶と違い芽が多く、特級クラスで、1kgあたり12万〜15万の芽が入っており、「華山銀毫」というお茶に次ぐ芽の多さである。お茶の淹れ方に注意する点は、繊細な茶葉なだけに上投法を用いる。70℃位のお湯を先に入れた後に茶葉を入れる方法で、茶葉が下に舞い落ちるさまを見るのも楽しみの1つとなる。銘茶と言われているこのお茶には伝説がある。東山に碧螺峰があり、何本か野生のお茶が生えており、この辺の農民はこのお茶を飲み暮らしていた。ある時、摘んだ茶葉が入れていた竹かごからこぼれ落ち、地面に落ちた。すると地面からはなんとも言えない奥ゆかしい香りが立ち上ってきたのだった。自分達が飲んでいたお茶がこれほどに良い香りという事で、翌年からは持ち帰らず地面にまき、香気がたちこめてくるのを待つ事にした。清代の康煕帝がこの地に立ち寄るとその香りに魅せられ、ただの野生茶に名前を「碧螺春」とつけたそうだ。

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